堀口悟郎九州産業大准教授のご意見です

1 やはり,ラストストロー理論はおかしい

分限裁判の判断は2段階。まずは懲戒事由該当性。それから懲戒処分相当性

「過去の厳重注意処分を考慮しうるのは,このうち,懲戒処分相当性の判断においてであり,
その前提となる懲戒事由該当性は,専ら本件ツイート自体について検討されなければならない。
わら一本だけで「懲戒事由」に当たるかのような誤解を招きかねない表現は不適切であるように思われる」

要するに,2段階構造を理解しておらず,第1段階で過去の処分を考慮するという間違いをしているという指摘です。

2 やはり,事実認定がおかしい
「本件ツイートを,犬の放置から約2年後の訴訟提起行為を非難するものと読むことは困難ではないだろうか」

3 表現の自由憲法判断から逃げたのもおかしい
「本件戒告は,表現の自由に対する内容規制と評すべきものであり,相当厳格な憲法適合性審査が求められるはずである」

4 最後に
「本決定により裁判官の発信が萎縮することは必至だろう」

by堀口悟郎九州産業大准教授
@法学セミナー768号124頁(司法受験生も多く読んでいる雑誌です)