分限裁判の記録 岡口基一

分限裁判の記録です。研究者の方向け

分限裁判の情報の公開について

私は,今年の6月13日に,自身の分限裁判の開始を知りましたが,

そのことについては,一切,ツイッター等では明らかにしない意向でした。
それは,当該事件の当事者の方に配慮してのことでした。

 

ところが,私は,夏期休暇中の7月23日の新聞及びテレビを見て,大変に驚きました。
裁判所当局が,私の了解もなく,本来非公開である私の分限事件について,マスコミにリークしてしまったのみならず,
その対象となる行為が,当該事件についてのツイートであることまで明らかにしてしまったのです(ツイートの内容までは公表しないこともできたと思われます)。

そのため,私も,当事者に配慮して自身の分限裁判を秘匿する必要がなくなったため,情報の公開に踏み切ったという経緯です。
すでに,全国の多くの方が,この情報を知ってしまっているからです。

始まりは民進党?

私のツイッターを問題視していたのは,実は,民進党でした。


民進党は,裁判官訴追委員会において,私を訴追するため,6か月も準備をし,
その間,同党の真山議員が,国会で質問に立ち,裁判官が「5時ピタで帰れる」など
のツイートをするのは相当でないなどの意見を述べたこともありました。

 

 



他方,最高裁は,三権のうちの他の二権からの干渉というべき,裁判官訴追委員会
おける裁判官の訴追は,何が何でも阻止するというスタンスです。

そこで,最高裁当局と与党(自民党公明党)が協議をし,
最高裁当局が責任を持って私を指導するので,私を訴追にかけないということで話が調
い,
裁判官訴追委員会では,与党の反対で,私の訴追はなくなったとの見方が出ていま
す。

f:id:okaguchik:20180817122713j:plain


 最高裁当局は,与党と約束した手前,何が何でも,私のツイートをやめさせるか,
又は,そういう指導ができないのであれば,訴追に代わるものとして,分限裁判の申
立てをせざるを得なかったというのです。
 最高裁当局としては,分限裁判の申立てさえすれば与党への顔が立ち,この申立
てが認められなくとも,それは最高裁判事の構成(15人中,裁判官出身者は6人
しかいない)上,仕方がないものであって,最高裁当局の責任ではないということの
ようです。

つまり,今回の問題の始まりは,実は,民進党であったという見方です。



弁護士でなくても代理人になれます。裁判官の分限裁判

裁判官の分限裁判の代理人は、弁護士資格がなくてもよいそうです。
 
著名なジャーナリストなどを弁護団に加えることで、最高裁にプレッシャーをかけるということもできます。
 
寺西判事補事件の時は、鎌田慧さんや、神坂直樹さんも、代理人になられたそうです。

東京高等裁判所分限事件調査委員会

今回の分限事件は、まず、東京高等裁判所に設置された

東京高等裁判所分限事件調査委員会」で、調査が行われました。

 

 

そこで、私は、調査委員会に対し、

東京高等裁判所長官室に呼ばれ、ツイッターをやめるように、

東京高裁長官から激しい口調で迫られ、

もしやめなければ、分限裁判にかけて、裁判官をクビにしてやるなどと、

1時間近くも、脅され続けたこと」

などを訴えましたが、

 

ほとんど無視されたまま、

 

正式な分限裁判の申立てに至ったものです。

f:id:okaguchik:20180814010533j:plain

 

裁判官の市民的自由の重要性

「かれ〔=裁判官〕が人間として十全の市民的自由を保障されないでいて、一般国民の市民的自由をまもることができるはずがない。かれは、自ら自由でないとき、議会制民主主義における市民的自由のもつ基本的重要性を認識することすらできないであろう。」(高柳信一「司法権の独立と裁判官の市民的自由」池田政章・守屋克彦編『裁判官の身分保障』(勁草書、1972年)76頁)