江藤祥平准教授
「私的ツイートには、政治運動ほどには三権分立の要請が強く妥当しないため、その禁止にはより慎重な姿勢が求められるはずなのに、岡口分限決定は、限定解釈を施しておらず、表現活動に与える委縮効果は絶大である。
最高裁がこれほどまでに「外見」にこだわるのは、「公正らしさ」という権威の外観をもって国民の信頼を確保する必要があるからである。しかしそうしたからといって、本質的な公正さが調達されるわけではない。むしろ、権威のベールを剥いで裁判官も一市民であることを前提とした上で,裁判実践の質の向上を通じて国民の信頼を直に問うていく方が,国民主権の理念には即しているように思われる。」