岡口分限決定2が、武田芳樹教授から批判されています 

岡口分限決定2が、武田芳樹山梨学院大学教授から批判されています 

 

「岡口分限決定1と共通する問題として,表現の自由に関する検討が実質的には行われていないという点を指摘することができる。

また,最高裁は,裁判官に対する懲戒事由の一つである「品位を辱める行状があったとき」を限定解釈する姿勢を示していない。

少なくとも,表現の制約を踏まえた裁判所法の解釈を示すか,表現の自由に対する制約としても許容されることを検討することが必要であったはずである。」

法学教室483号162頁

 

 

 

分限裁判と言えば、かつて寺西判事補事件というのがありました。

そのときの最高裁大法廷決定は、様々な論点について憲法学的観点からの検討がされ、それを踏まえて戒告処分の結論に至ったものであり、今でも、憲法の授業で取り上げられ続けています。

 

ところが、岡口分限決定は、そうした法的な検討が全くされずに、まさに「初めから結論ありき」のものとなっています。

法的な検討をすることもなく、「とにかく、この裁判官は戒告にしてしまえ」と、それだけの決定だということです。

これでは、まさかの最高裁が「法の支配」ではなく「人の支配」です。

 

20年で、ここまで最高裁大法廷が劣化するとは、

憲法学者のみなさんも、驚いておられることでしょう。

 

*しかも、岡口分限決定2は、これに加え、既にこのブログで明らかにしたとおり、事実誤認や手続保障の欠如もあるものです(完全に不意打ちの事実認定をした挙句、それが間違っていました)。